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(49) クリシュナ

こんにちは!松田琢哉です!このメールは名刺交換をさせていただいた方へBCCにてお送りしています。

私の滞在先のPGの大家さん御夫婦にお子さんが産まれました。「出産」が「ジャンム(janm)」で「誕生日」は「ディン(din,日)」を付け加えた「ジャンムディン(janmdin)」です。子供が産まれるとなると身の回りの環境には気を使われるものなのだと思いますが、なんとご主人は子犬を買ってきたのです。名前はcooperでしっかり「クーパー」と呼んでいました。犬種はピットブルという筋肉質で運動量の多い犬です。外で飼うならまだしも屋内で飼うのでちょっと大きくなったら家の中を走りまくり、吠えまくり、そこらへんに糞尿垂れ流しという最悪な状況で他のPGメイトも相当嫌がっていました。それでクーパーが来て1ヶ月ほど経ち、お子さんが産まれて2週間ほどでクーパーは売られました。しっかりとした飼い主に飼われて、しつけもしっかり付けれていたならクーパーも幸せだったろうに、と思うとクーパーはかわいそうだったなぁと思います。一方で吠えられることも臭いに困らされることも噛まれるか心配することもなくなったので安心して生活を送ることができるようになりました。
クーパーもクーパーで皆から蹴られる生活からは抜け出しましたが、三つ子の魂百までとも言います。新たな飼い主さんに可愛がってもらえていればいいなぁと思います。

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さて、前回は「受動態」のご紹介をさせていただきました。
「動詞の完了形+ジャーナー」という構文です。

今回はインドの神様の1人の「クリシュナ(Kr̥ṣṇaa)」についてのご紹介をさせていただきます。
インドの子育ての概念で「男の子はクリシュナのように、女の子はスィータのように」というものがあります。クリシュナについては細かくご紹介することとして、スィータはインドの二大叙事詩の1つ「ラーマーヤナ」の主人公のラーマの奥さんで、女性の理想像とされています。慎み深く、夫に献身的である。というのがそのイメージです。ヒンドゥー教の既婚女性のおでこの髪の生え際には赤色のマークが付けられているので、ぱっと見ただけで既婚であることが分かりますが男性の方にはそのような目印がないので既婚・未婚の区別がつきません。なのでどうやって見分けたらいいのか同僚に聞いてみると「All of them are frustrated」と皆声を揃えてそう言います。

クリシュナについてですが、クリシュナはご存知の通りインドでとても人気のある神様です。
何の神様かと言うと、「全ての悪を取り去り、前向きな考えを持っている者を助けてくれる」神様で、足首・腰・首をひねらせて横笛を持っているのが特徴です。
出生:
ウッタル・プラデーシュにMathuraという場所があり、そこにはカンサという暴君がいました。カンサの従妹のデーヴァキーとヴァースデーヴァの結婚式の日にカンサ王は「この2人から産まれた8番目の子供が汝を殺すだろう」と予言を受け、カンサ王はデーヴァキーとヴァースデーヴァを殺そうとしますが、ヴァースデーヴァが「私達から生まれた子は殺してもいいが私達は殺さないでくれ」と嘆願し、牢獄に監禁されることで許されました。約束どおり6番目までの子供はカンサ王によって殺され、7番目の子をデーヴァキーが身籠ったとき、実はその7番目の子供は天界からの使いであったため殺されないようにとヴァースデーヴァの第二婦人のローヒニーの子宮に転送されます。そして遂に8番目の子をデーヴァキーが深夜に出産します。この子供こそがクリシュナなんですね。実はクリシュナは天界からインドの三大神の1人のヴィシュヌが地上の悪を滅ぼすためにアヴァターラ(化身)としてやってきたものだったのです。それで、クリシュナは産まれてすぐに両親のデーヴァキーとヴァースデーヴァに「今すぐ私をヤムナ川を渡った先にあるゴウラク村に連れて行きなさい。私と同時に産まれた女の子がそこにいるのでその子と私を取り替えて戻ってくるのだ」と伝えます。不思議なことに監獄の鍵も開いており看守も眠っておりすんなり監獄を抜け出します。神様の力ですね。それで父親のヴァースデーヴァは荒れ狂うヤムナ側を渡り子供をすり替えまた監獄に戻ってきます。子供が生まれたことを聞きつけたカンサ王はすぐに監獄にかけつけ二人の抱きかかえる子供を取り上げ地面に叩きつけて殺してしまいます。しかしなんとまぁその子供から女神が出てきて「お前を殺す運命の子供は既に産まれている」と告げ消えていきます。もともとカンサ王とデーヴァキーは親戚同士で仲が良かったのでカンサ王は2人を釈放、国中の生まれて間もない子の虐殺を始めます。
デーヴァキーとヴァースデーヴァの8番目の子がクリシュナ、7番目の子がバララーマといい2人は同じゴウラク村で共に成長していきます。

以上がクリシュナの出生に関するお話です。クリシュナは世にはこびる悪を滅ぼすために産まれた運命の子なんですね。そこから皆の悩みの種を打ち破る存在となっていったのです。クリシュナは基本的に子供の神様です。クリシュナは幼少期、青年期の2つ分けられ彼の生涯はそれ程長いものではなかったので非常に人間に近い存在の神様です。
クリシュナを信仰する方法としては、親達は彼のことを子供のように愛し、若者は彼を親友として親しみをもつことで祈りを捧げます。
クリシュナに関しては多くのエピソードがあるのですが、信仰に関しては以下のエピソードがあります。
クリシュナが4歳のときの話ですが、当時人々はインドラ神を信仰していました。インドラ神(帝釈天)は雷の神様で風神雷神の雷神の方です。天空を司っておりとても強大な力を持っていたので人々は彼を恐れて信仰していました。しかしクリシュナは「恐怖によって信仰するのは間違った信仰である。神への信仰は見返りを求めない愛に基づいたものでなくてはならない」と人々に伝え、人々は段々とインドラ神を信仰しなくなります。それを聞きつけたインドラ神は怒り狂い、痛めつけてやろうとクリシュナの住むゴウラク村に大雨を降らせます。そこでクリシュナは、この原因は自分にある、として近くの山のゴーワルダン山を傘代わりに小指一本で持ち上げて人々を豪雨から救います。インドラ神は、これはただ者ではないぞ、とクリシュナに会いに行き、クリシュナこそが最高神であると認め謝って帰っていきました。
4歳の子供が山を小指一本で持ち上げるだなんて普通に考えて無理なことですが、神様なので問題無しです。
クリシュナはこのように自分の行動をもって人々に教訓を与えていき、こうした彼の生き方を「クリシュナ・リーラー」と言います。「リーラー」は「遊戯(ゆげ)」と訳され「神が天界から降臨し、人々に正しい生き方を教えていくこと」のような意味です。それが神様にとっては遊びに近いほど簡単なものということでしょう。「クリシュナ・リーラー」にはルールなどなく前向きな考えをもって行動すれば全てがうまくいく、といった具合です。それとは真逆のものに「ラーム・リーラー」があります。「ラーム」とは「ラーマーヤナ」の主人公「ラーマ」のことで、彼はダルマ(正義)、カルマ(人としての行い)などのルールにぎっちり縛られて生きていました。要するにクリシュナは自由奔放な神様ということです。
それではクリシュナに関するエピソードをどんどんご紹介していきます。

・「マッカーン・チョール(バター泥棒)」
クリシュナが育ったのはゴウラク村という牛飼いの村でした。クリシュナは子供でイタズラ好きなので近所の家に忍び込んではバターを食べてしまいます。ここから学べる教訓というのはですね、まず背景としてクリシュナが育った家では約40万の牛を飼っていたとされ、そこから取れるバターなどとても膨大な量で近所の家から盗む必要など全くありません。一方で普通の家が飼っているのは2,3頭の牛で作れるバターの量も限られています。それでも牛飼いの女性達はクリシュナにバターを食べに来てほしいんですね。なぜかと言われればみんなクリシュナのことが愛らしくて愛らしくてたまらないからです。なのでここからの教訓というのは「クリシュナはクリシュナを心から愛し、心から会いたいと願うものの前に現れる」というものです。クリシュナ信仰の方々からしたらとても心強いお話です。

・「サリー回収騒ぎ」
ゴウラク村の牛飼いの女性達がヤムナ川でサリーを脱いで沐浴をしていたところクリシュナがやってきてサリーを回収して全て近くの木にかけてしまいました。これでは女性達はヤムナ川から出られなくなり困ってしまいます。これもクリシュナはこの女性達に1つ教えたいことがあってやったというのです。
まずこの時クリシュナは6歳でした。なので女性の裸に興味があるということではありませんでした。女性達は他に誰も自分達を見ている人はいないと思ってサリーを脱いで沐浴をしていたのですが、実はそこには他に男がいたのです。その男というのもヤムナ川の女神のヤミーの双子の兄弟のヤマが見ているというのです。夫の前以外でサリーを脱いではいけないという生活の中で彼女達はサリーを脱いで沐浴をしていたので懲らしめようと思ってサリーを回収したのです。ただ彼女達はクリシュナ大好きなのでむしろ喜んでいたそうです。

・「毒蛇カーリヤ」
クリシュナが友達と牛を連れて散歩していたとき友達がヤムナ川の水を飲んで死んでしまいます。クリシュナはその友達を生き返らせヤムナ川を調べるためにヤムナ川に飛び込みます。するとそこには毒蛇のカーリヤがいました。彼はカンサ王の使いで子供達を殺すべく川に毒を吐いていたのです。クリシュナとカーリヤの戦いが始まり、体格差でカーリヤが優勢かと思われましたが最後はクリシュナがカーリヤの頭の上でダンスをスタート。そのステップの衝撃に耐えられずカーリヤはノックダウン。するとカーリヤの妻4人が現れてカーリヤを殺さないよう嘆願し、クリシュナはもう悪さをしないことを条件にカーリヤを許します。
これでクリシュナはより皆から愛され、ヒーローとなっていきます。

・「森の中での舞踏会」
クリシュナは皆から愛される存在でしたが、クリシュナは1人なので同時に多くの人と過ごすことはできません。なのでクリシュナは多くの分身を作り牛飼いの女性達と横笛の音色に身を任せて6ヶ月間踊り続けます。このように多くの女性達を楽しませた、という点からクリシュナは「プレイボーイ」だと呼ばれるんですね。
この場面をもってクリシュナの幼少期が終わり、カンサ王を倒して青年期に移っていきます。

その後クリシュナはインドの二大叙事詩の1つ「マハーバーラタ」にちょこちょこ出てきます。主人公のパンダヴァ5兄弟には共通の1人の奥さんのドローパティがおり、彼女が以前の行いの復讐として人々の前でサリーを巻き取られそうになったときにクリシュナが現れてサリーが脱がされることのないようにサリーを無限に伸ばしてあげたり、クルクシェートラの最終決戦で敵になってしまった弓の師匠のドローナーチャリヤとは戦えないと嘆くパンダヴァ5兄弟の3男アルジュナに「戦士ならば戦士の務めを果たさねばならない」と説いたり、とポイントポイントで出てきます。

マハーバーラタの戦いの後、クリシュナはドゥワールカという国を36年間治め人々は幸せな生活に慢心してどんどん荒廃していき最後にはクリシュナは猟師に誤まってアキレス腱を撃たれ死んでしまいます。クリシュナの死をもってドゥワールカは海の底に沈んでしまいます。ドゥワールカはデリーにもありますがクリシュナが住んでいたドゥワールカはグジャラートの海岸沿いの都市で最近の調査で海底に都市の遺跡が発掘されたそうです。なんともロマンのあることですね。

先日の日曜日に日帰りでクリシュナの産まれた地でありますMathuraと彼が幼少期を過ごしたVrindaavanに行ってきました。列車で2時間の75ルピーです。列車料金はとても安いんですね。ただ切符のチェックを受けなかったので無賃乗車している人も多いことと思います。クリシュナ信仰の中心的組織にイスコン(ISKCON: International Society for Krishna Consciousness-クリシュナ意識国際協会)というのがあります。世界中に支部がありもちろん日本にもあります。欧米の方たちもおでこにクリシュナ信仰のマークを塗りお祈りを捧げていました。女性の方が多かった気がします。Mathuraにはクリシュナの生誕地であるKrishna Janmbhuumiが見所で、Vrindaavanにはクリシュナにまつわる様々なモニュメントがあるPrem Mandirがおすすめです。ただクリシュナは子供の神様なのでお昼寝をしないといけません。そのため12:00~16:30、20:30~5:30は寺院が閉まりますのでご注意ください。入場料等もなく食事も寺院で無料でいただけるのでほとんど交通費とお土産代ぐらいの出費で、計1000ルピーほどの出費でした。ただ行きはよいよい帰りは怖いな日程で帰りの列車がどれがデリーに帰るものなのかが分からず色々な人に聞きまくってその日1日でヒンディー語がだいぶ上達した気がします。

ということで今回はクリシュナについてのご紹介をさせていただきました。インドの他の神様についても色々とご興味を持っていただけるきっかけとなれればと思います。
次回の50回目で中締めという形をとらせていただきます。
長くなりましたが最後までお読みくださりありがとうございます!

松田琢哉
単語帳(49).jpg
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